AKB48から学ぶ基礎アイドル学後編

ブログかかなんてプレッシャーが軸索小丘にスパイクを生じさせ、信号はまたたく間に軸索を駆け巡り数多のシナプス前軸索末端に到達、シナプス後膜を通じて次々と隣接するニューロンを発火させる今日この頃・・・。
おつかれさまです、「みっちゃんまたこの服?」でお馴染みmetheglinです。

今日は前回の続き、「AKB48から学ぶ基礎アイドル学後編」です。

知り合いのAKBファンがこんなことを言ってました。
「実際AKBの大半はブスですよね。ブスと言うか、まだ若いというか・・・」
この言葉で私はAKB人気の本質が分かったような気がしました。要するに、AKB48はメンバーの2割の人気アイドルが、ファンの8割をカバーする「パレートの法則」が成り立っているということです。

ネット上でAKB48の人気投票があったので実際に調べてみました。2010年5月7日現在のデータをグラフに落とすと、以下の図で表せます。

獲得票数グラフ

このグラフは、メンバー一人ひとりの獲得票数を大きい順から並べて棒グラフにしたものです。
驚くほどきれいにべき分布が再現されました。まさに80:20の法則に従っています。
実際に計算すると、全票数が42441、メンバーの2割は13名、上位13名の獲得票数は30119、上位13名の獲得票数が全体の獲得票数に占める割合は30119÷42441×100=70.9%。つまり、メンバーの20%がファンの71%を獲得する計算となります。また、メンバーの28%がファンの80%を獲得する計算となります。
下図はヒストグラムです。1000票以上獲得した猛者がいかに少ないかが分かります。

票獲得者数ヒストグラム

私が言いたいのは、AKB48のアイドル間人気度はこの社会の縮図となっているということです。
従来、アイドルというのはべき分布でいうところのヘッドに該当する、超人気者だけがなれるものでした。しかし、AKB48は「会いに行けるアイドル」のコンセプトのもと、必ずしも超人気者とは限らないアイドルを採用する経緯となったのです。
これはロングテール現象にそっくりです。
従来、リアルな店舗を持つ百貨店は店頭に並べられる商品数が限られているため一部の人気商品しか扱えませんでした。しかしネットを通じた売買では展示スペースに制約がないため、全商品を店舗に並べることができます。その結果、べき分布の尾がずーっと伸びて伸びて、リアルな世界で不人気だったはずの商品が主要な売り上げ源となる現象が起こったのです。この長い長い尾がロングテールです。

3割の人気アイドルがファンの8割をカバーする現状で、では残りの7割のメンバーに存在価値はあるのかという疑問は当然起こりえます。せっかくAKB48内で競争のメカニズムが働いているのだから、なおさら数字をあげられない者は退場していただいた方が効率はよさそうに思えます。
けれども私は、人気がおもわしくない7割のアイドルにも存在価値はあると考えています。私の考えでは、48人中半数以上が人気アイドルという状況の方が非効率的なのです。
なぜなら、世の中の大半の男の好みは似通っているからです。そんな中で人気アイドルばかりをそろえてしまうと、シェアを奪い合う現象が必ず起こります。

たとえば、次の例を考えてみましょう。
Aさん、Bさん、Cさんのファン集合をそれぞれとしましょう。
このとき、ユニークなファン数(延べ総数ではなく、特定の個人を一人しかカウントしない)で考えることがポイントです。なぜなら、AさんBさんCさんいずれか一人のファンになってくれればCDなりチケットなりを買ってくれるであろうからです。

ベン図

下図の例では上図よりも人気度の低いアイドルが集まっていますが、全体として獲得できたユニークなファンの数が多いという現象が起きています。要するに、ダブってファンになる人の数が少ない。それぞれのアイドルがターゲットを明確に分けており、シェア争いが起きていないのです。
結論として私が提案したいのは、大多数からの支持を得られなかったかわいそうなアイドルは市場のすきまを狙って、決して超人気アイドルと競合しないようなターゲットを定めて、よりマニアックな層向けのアイドル活動をしていく必要があるということです。そうすれば、十分に戦力となるのです。


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