はいどうもこんにちは。metheglinです。
ここ最近ふと思い出しざまに寿屋(コトブキヤ)のテーマソングを朗らかな声で歌いだすっていうことが何度かありまして、改めて考えるといい曲だったなと思ってYoutubeを探してみたら音源がアップされていたので聞いてみたら涙が頬を伝ったのでみなさんにも共有しますね!
寿屋とは、かつて熊本を本拠地として九州を席巻したデパートです。
カリーノ(旧寿屋) – Wikipedia
ぼくが育ったのは熊本県玉名市ですが、玉名市のど真ん中に、要塞のようにして寿屋は立ち構えていました。
玉名寿屋は、玉名市民の拠り所、居場所でありました。
1回寿屋にお買い物に行けば、少なくとも3人の知り合いに出会うくらい、みんな行ってました。
しかもあれですよ、ぼくが通った小学校は全校生徒100人いなかったので、知ってる人ってけっこう少ないんですよ。
にも関わらず、あの知り合いの密度はすごいですよ。
玉名市は人口4万人程度の平和な街でしたが(今は市町村合併によって7万近い)、それでもときたま自殺者が出ます。
そういう噂は瞬く間に街を駆け巡るのですが、決まって自殺現場は寿屋でした。
明らかに、街で一番でかいビルって一目瞭然ですからね。
今から死のうと考える人が死に場所として選ぶくらい、寿屋は人々の心に浸透していたのです。
そんな寿屋でしたが、経営破綻のため、全店を閉鎖してしまいました。
玉名寿屋の跡地にはJUSCOが入りましたが(JUSCOものちに閉店)、ぼくはそれを受け入れられず、JUSCOのことを寿屋と呼び続けました。
寿屋とさよならしてからもう10年経っています。
当時寿屋を拠り所としていたみんながこの曲を聴いたら、涙を流して喜ぶんじゃないかと思います。
Youtubeのコメント欄まさにそのままに。
デパートとかスーパーって無限ループで同じ音楽流し続けたりするじゃないですか。
この曲なんかまさにそうだったんですけど、これを聞けば当時の寿屋のことはもちろん、それに付随する当時のいろんな記憶を芋づる式に思い出すんです。
寿屋に入り浸った者たちで集まって、寿屋愛唱歌を熱唱したい、この懐かしさを共有したい。
そんなところに、自分の中のナショナリズムを垣間みたような気がしました。
「文化とは、特定のコミュニティで懐かしさを共有できるものである」
とは、ぼくが今考えた言葉です。
寿屋愛唱歌ぜひ聞いてみてください。