伝説のまんが「きんにくまんたちむかえ」

みなさまごきげんよ!
あら、みんな今日もごきげんねえ。どうもこんにちは、metheglinです。

あなたの一番古い記憶はいつのものでしょうか。
いろんなところでさんざん書いているんですけど、ぼくは記憶を辿ると言う行為がこの上なく好きなのでございます。すごく不思議なかんじがします。諸法無我とはよくいったものです。むかしの自分はいまの自分とは別人のような気がします。特に自我に目覚める前と後ではものすごく別人な気がします。

このまえ実家に帰って、以前のぼくの部屋をあさっていたら、おそらくぼくが生まれてはじめてまたは準はじめて描いたであろうまんがが出てきました。
筋肉マンが主人公のまんがなのですが、ぼくは筋肉マンというまんがもアニメも今に至るまで見たことはありません。むかしラムネといっしょにちっこいフィギュア人形がついてる類のおかしありましたよね。それでフィギュアをいくつか持っていて、それで好きになって書いたものと思われます。当時なかよしだった小林くんといっしょに集めていたので、このまんがを描いたのは幼稚園のころだったかと思われます。

すごくうまくてびっくりしました。

なので今日は園児metheglinの超大作「きんにくまんたちむかえ」を紹介したいと思います。

解説

なんていうか、自分で言うのもあれですけどめちゃくちゃうまいですね。画力で言ったら、この時点でもうすでにそこらへんの大人のレベルは軽く超えている。ストーリー展開も秀逸ですし。抜群のセンスだと言っていいでしょう。
けれども残念なことに実に見事に伸び悩んで今に至るわけです。残念です。

それでは解説に参りましょう。

きんにくまんたちむかえ

訳:筋肉マン立ち向かえ

この大作を描き上げたとき、これで他人様に見せられる作品が誕生したぜ!という充実感に満たされていたことを覚えています。当初本作タイトルに誤植があり、「きんにくまたちむかえ」となっていて、ぼくはそういう誤植に気付いても直すのがめんどくさいので無視しておく性質だったのですが、あとあとこれじゃ他人様に見せるにははずかしいということで”ん”をつけたしたことを覚えています。

にちようびにきんにくまんがのびりしていました

訳:日曜日に筋肉マンがのんびりしていました。

左から右に読みます。ふきだしみたいになっていてあたかも筋肉マンがしゃべっているようですが、どうやらナレーターのセリフのようです。
たしかにのんびりしています。なにやら釣り番組を見ています。圧巻は筋肉マンの母親を想像して描いているところですね。

だれですか。と。あけてみると。みんながいたのです。

訳:「誰ですか」と(ドアを)開けてみると、みんながいたのです。

とにかく、絵がうまい。

こんにちわなんだそるじゃかでなんのようかいぼくしんぐたいかいがあるんだてうんいく

訳:「こんにちは。なんだ、ソルジャーか。で、何の用かい?」「ボクシング大会があるんだって。」「うん、いく」

ソルジャーくんというともだちがボクシング大会のお知らせに来たようですね。

(解読に失敗)

実況が何やらしゃべっていますが、このページの解読には失敗しました。ぼくは中学校くらいになっても、まんがを描くときに、ふきだしをはじめに書いてその中にセリフを押し込めるスタンスだったのでものすごく字が読みにくいのです。その起源はここにあったのですね。加えて、どうやら闘っているときの擬音語が含まれているようなので事態は混沌を極めています。筋肉マンが負けてしまったと推測されます。

きんにくまんわつぎのあさこうえんでじきようをすることになりました

訳:筋肉マンは次の日の朝、公園で修業をすることになりました。

努力家の筋肉マンは前日の敗戦から学び、公園にて一から鍛え直すことにしたようです。とても苦しんでいる様子がうかがえます。

つぎのあさいってみたらかったのですやったあ

訳:次の日の朝、(ボクシング大会に)行ってみたら、勝ったのです。やったあ!

実に1日あけての連戦。筋肉マンは相手の右足つまさきに強烈なパンチをお見舞いし勝ちました。
おびただしい数の観客が沸いていますね。
ぼくはこの観客を描いていたときのことをすごく覚えています。だるかった。だるかったからつい個性のない客になった。客席の一部が筋肉マンとその敵の頭によってかくれていますが、その部分がうまい具合に盛り上がって観客の顔が見えています。ぼくはこれを描きながら矛盾に気付いていました。本当ならかくれなきゃいけないのに・・・。と思いながら描いていたのが思い出されます。

きんにくまんわゼブラのおうちにいってみました そしたらぜブラがたいそうおしていました。

訳:筋肉マンは、ゼブラのおうちにいってみました。そしたらゼブラは体操をしていました。

この展開の急さが非常に素晴らしい。まるで現代人が時間に追われておっちらおっちらまんがを読んでいる暇などないということを見据えたかのようなストーリー展開です。はやくも筋肉マンはゼブラに会いに行っていたのです。おいていかれているのはあなただけです。筋肉マンはもう、前を向いているんです。
このページを見ていて思い出したのですが、カタカナのゼを書いてみたのはおそらくこのときがはじめてでした。ものすごく頭を使って書いたことを覚えている気がします。案の定、次の”ゼ”はひらがなになっています。よっぽど難しかったのでしょう。

ぜぶらっていいよなうんあんなことできるんだもんうラまやしいよなー。

訳:「ゼブラっていいよな。」「うん」「あんなことできるんだもん。うらやましいよなー。」

この2人、どこからゼブラを眺めているんでしょうか。

おわりです。

筋肉マンがボクシング大会に出場。一度は苦杯を舐めるものの、一朝一夕の鍛練で見事にリベンジを果たし、それからふらっとゼブラの家に立ち寄って、ゼブラの体操を目撃し、憧れの念を抱くというハートフルストーリーでした。

もう二度とこういった作品を拝むことはできません。それが悲しいですね。だからぼくは子供を育てたいと思うんです。


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コメント / トラックバック2件

  1. エヌ村ナマコ より:

    当時から現在のmetheglinさんを思わせる、恐るべき画力ですね。
    久々にゼエゼエハアハア笑いました。
    なにか悲しいことがあったときは読みに参ります。

  2. admin より:

    おほほ!コメントなう!コメントがきたなう!
    ありがとうございます。
    まったくもう、この手のものは捨てずにとっておくものですね。よかったよかった。

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