みなさんこんにちは。metheglinです。
吉野家、すき家、松屋の3つはいつ行ってもすごいと思いますし、正直そこで働かれている方たちをぼくは尊敬しています。特に松屋にはじめて行った今年、豚丼が290円とかで味噌汁までついてたのがきわまりないサプライズでした。
さて、このようなワンダフルなオペレーションを披露する低価格定食チェーンの雄、3社に闘いを挑むための方策を思いついたので記しておきますね。
我が社の定食チェーン「むしゃむしゃもぐもぐごっくんぺろり屋」では、メニューの名前を工夫します。
メニュー一覧
- 一番安いの
- 二番目に安いの
- ちゅうくらいの
- いっちばん高いの
- 新しいの
解説
近代ビジネスにおいては、価格設定は商売の行く末を左右する非常に重要なファクターです。ここをとことん研究すべきです。
たとえば、Adobe製品は業界のデファクトスタンダードをとってしまっているのでべらぼうに高価な価格を設定できますが、一方でアカデミックパックという低価格版を学生・教職員向けに提供しています。これはつまり、定価だと到底購入できないだろうという層にも購入意欲がはたらくようにし、利益の最大化をはかっているのです。
コモディティ化がいくとこまでいって、あとは限界費用に達するまで価格競争が進むという状態はもちろん企業にとってはよろしゅうおません。要するに、ターゲットを明確に分け、それぞれに向けたバージョンの商品を用意し、それぞれの層が支払うであろうぎりぎりの価格を設定することがとても重要です。もちろん商品にそれなりの価値がなければ実現しないことですので、その領域に達するまでの熾烈な闘いを日々企業はやっているというのがわたしの解釈です。
マクドナルドは激安というイメージがしみついていますけど、家族連れが食べるのはほとんどセット商品だったりして、そのセット商品は割高だったりしますよね。
私は今回ターゲットをおそろしく明確に分けたメニュー名を考えました。
このシステムでは松屋のように券売機などの機器は使用しません。あくまで店員がお客様からメニューを聞き、お客様が直接メニュー名を口にしてもらうというのがコンセプトです。そして店員にはまじでかい声で注文を復唱させます。お客様が何を注文するかというところが、そのままお客様のステータスを表示するものとなり、シグナリングになるというのが、「むしゃむしゃもぐもぐごっくんぺろり屋」の特徴です。
一番安いの
「一番安いの」は、弊社が持てる力を全て費やした驚きの低価格を体現した目玉商品となります。
「一番安いの」を注文するお客様は、(あいつ一番安いのたのんでるぜ、ぷぷ)とひとさまから思われても何ら動じない、とにかく安いの食べさせてくれ!という私のようなせこい人間どもです。そういった人たちには質より量。「この安さでこの量?」と言わしめるすさまじい低価格パフォーマンスを見せつけてやることが重要です。
二番目に安いの
「二番目に安いの」を注文されるお客様は、実はお金があんまないけど、世間体を気にするためしぶしぶ下から2番目を選択する人たちです。
私どもはそういう心理からお金を巻き上げます。「二番目に安いの」は「一番安いの」に比べてかなり割高になっており、利益率が高めに設定される商品となります。
ちゅうくらいの
「ちゅうくらいの」はオプションです。本商品の位置付けは「二番目に安いの」と何ら変わりません。
ファーストフード店では飲み物などいちいちサイズを選べるようになっていますが、最も注文が多いのがMサイズだと言います。人はサイズの決断を迫られたとき、とりあえず真ん中のサイズを選んでしまうそうです。日本人ならなおさらのことでしょう。
やはり私どもが金を巻き上げるのはこういった心理からです。ですから、「ちゅうくらいの」も割高な価格設定にします。
いっちばん高いの
「いっちばん高いの」を注文されるお客様は、「わお、あの人一番高いやつたのみやがったぜ・・・」と思われたい人々です。ステータスのためにお金を支払う人たちです。
弊社としては、こういうお客様にもっともっと来てもらいたいわけです。ですから、いっちばん高いと言っておきながら案外高くなく、お得感がある商品に仕上げます。そうやって最高の充足感でお帰りいただけるのが本商品です。これを割安に設定しておくとサイドメニューの売上増加も見込めますね。
ポイントは「いっちばん」とちっちゃいつをいれるところです。
新しいの
最後に新メニューに関しては、「新しいの」とネーミングします。
そうすることで新しいもの好きの人たちを囲いこめます。当然、(あの人新しいもの好きなんだわ、かっこいい)となりますしね。
オプションで「すごく新しいの」とか「世界初の」とかをつけてもいいかと思われます。
さて、人々の心理を絶妙についた目からウロコの定食屋マーケティング、いかがでしたでしょうか。
早速このプランをひっさげて会社設立の準備をしないといけませんね。忙しい、忙しい。
え?なに?
・・・
なになに!?聞こえない。
・・・
おまえが死ね!
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