ゆるキャラの次にくるもの

を考えていたんです。
というのも、現在のゆるキャラの興隆もそう長くはない、そろそろ一手先を読んでマーケティング戦略を練りたいと思っているんです。

実はゆるキャラにはわりと明確な定義があることを知らないかたも多いのではないかと思います。
ゆるキャラという概念を発明したのはみうらじゅんさんですが、ゆるキャラ三か条として以下のように述べられています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%86%E3%82%8B%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%A9

  1. 郷土愛に満ち溢れた強いメッセージ性があること。
  2. 立ち居振る舞いが不安定かつユニークであること。
  3. 愛すべき、ゆるさ、を持ち合わせていること。

また、三か条として定義にまではなっていませんが、原則着ぐるみ化されていること、も条件としてあるそうです。
ぼくもずっとゆるキャラのことを誤解していましたが、ゆるキャラというジャンルは実はかなり狭い範囲で定義されている言葉です。
ディズニー、サンリオ、ジブリ、赤塚不二夫らが生み出したガチキャラはもちろんのこと、へたうま、キモカワ、Golden eggsなどのニューウェーブとも根本的に異なるジャンルなのです。

ゆるキャラとは本来、地方自治体が地域をPRするためにアバターをたてたものが始まりで、起源としては地域のミスコンの流れの延長線上にあると思います。
しかし、みうらじゅんさんのお話を聞いていても思いますが、そのキャラクターのコンセプトや運営方法が滑稽で、つっこみどころ満載な点が多くの自治体に共通して見られ、この潮流が注目されたものがゆるキャラの始まりです。

つまり、ゆるキャラという概念の本来の興りは”人々に癒しを与える存在”ではなく、”人々からはらはらどきどきされながらも見守られる存在”だったというのがぼくの意見です。
ゆるキャラのゆるいの意味はそこにあり、へたうまジャンルとも根本的に異なることがわかると思います。

そう考えると、これはみうらじゅんさん本人もおっしゃられていますが、くまもんはその領域を完全に超越しています。完全に人々に癒しを与える存在として洗練されています。
ぼくも始めてくまもんを見たときは、(やるな・・・)とそのデザインセンスに感心しました。
こないだ、熊本県のくまもん運営チームのドキュメンタリーも拝見しましたが、彼らくまもんででかいビジネスや社会貢献をしようと本気でした。
現在の人気キャラクターやゆるキャラグランプリをのぞいて見ても、上位にいるのは、人々を楽しませている、もはやゆるくないキャラばかりです。

やっぱり、本来ゆるキャラというのは大衆の注目を集める存在でないのだと思います。
今ゆるキャラとして成功しているものは、洗練されたキャラクターで、洗練されたキャラクターはむかしから人々の注目を集めるし、PRとの親和性が高い。
今ゆるキャラ本来の定義に沿って自治体PRを考えても、これだけ多様なキャラクターがひしめいている中確実に成功しないだろうし、ブームが去れば見向きもされないと思います。かといって、ガチのキャラでやろうと思えば、ガチの闘いが待っている。
ゆるキャラブームは今こういう状況なんだと思います。

だけど、個人的にはそれでいいんだと思います。
発端は、公務員が考える拙い地域マーケティング戦略で、その拙さが逆に話題となり、火が付き、お祭り状態になる。
お祭り状態になったあとはやりかたの巧い一握りが生き残るものの、キャラクターを用いた地域PR展開というのが手法の一つとして教科書にのる。
こうやって一歩一歩地方自治体も進歩していく。

ただし、やっぱりこれを持続可能にしていくには、ゆるキャラの次の手を考えなければいけません。
ガチキャラを運用していくのは難しく(キャラクターのライバルは自治体に限らずそこら中にいます)、本来のゆるキャラは人々の注目をもはや集めない。
ゆるキャラブームが終焉を迎えるのは時間の問題だと思います。
ということを考えていて、次にくるものを考えていました。
グロキャラ、鬱キャラ、哲学キャラかなあとか、五里霧中状態でしたが、こないだふとネット上で出会ったコンテンツを見て、これだと確信できたものがあったんです。

五泉菜摘さんの作品リスト

次にくるのは”ゆるうた”です。
歌ってみんな好きだし、浸透力もすごいし、PRとの親和性も高い。
芯が良ければ、プロ並みの歌唱力とか編曲力とか演奏力とかなくても人々の心をつかめる。
公務員ならではのセンスで、次は歌で世の中を席巻してほしいです。


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